消化力を考える(夏の過ごし方)
No.80
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現代の栄養学では、栄養を取り入れる情報は多くありますが その栄養たっぷりの食べ物を消化することについては、見落としている方が殆どです。
アーユルヴェーダでは、食物摂取について現代栄養学と考え方が大きく異なります。 摂り入れること(栄養摂取)の前に、食べ方や消化力を考えます。 いくら良い食べ物でも、それを消火する力がなければ、からだに溜まっていき、排泄されずに腐り、毒になります。
アーユルヴェーダでは夏の、特に夏至のあたりが一番消化力が落ちる時期と言います。 なるほど。梅雨のはじめあたり、体が重だるくなったり、ご飯の時間になってもお腹が空かなかったり、膨満感だったり、なんとなく体調が優れなかったりした人、いませんか?
実は私がそうだったりして。丁度その頃、仕事が忙しく睡眠不足が続いていたので、しっかり消化力が落ちていました。 しかもセラピストじゃない日でもセラピスト並みの食事量! 疲れや睡眠不足はヴァータというエネルギーを増やすため、消化力は乱れます。 さらにそれが夏至前後の時期に重なり、消化力不足状態でした。
そしてら、もー大変。 体は重くなるし、何をするにも体も心も「よっこらしょ!」って感じだし、食欲は無いし、湿疹はできるし。 これは疲れだけのせいではありません。季節も大きく関与していたのです。
巷に流れる言葉 「夏の暑さで食欲が落ちます。」→アーユルヴェーダでも正解。太陽が勢力を振るう季節は、生物から体力・消化力を減退させます。夏至の時期が一番、消化力・体力が落ちます。 「だから精のつくものをどんどん食べて、夏の暑さを乗り切りましょう!」→アーユルヴェーダではこういう風には言いません。 精のつくものを食べるのは良いとして、この消化力が落ちている時期に、食事(生活)のルールも守らずに食べたら、よけいに食欲、そして体力が落ちます。<食べているのに体調がイマイチ>なのはこのせいです。 夏の暑さを乗り切るのは、『どんどん食べる』のではなく、『他の季節以上に食事のルールを守って食べる』 ことが大切です。
食事(生活)のルール ・食べ過ぎない、飲みすぎない ・お腹が空いていないと感じたら、無理に食べない。そういうときは無理に固形物を食べずにスープ中心の食事にする ・冷たい食べ物や飲み物はできるだけ避ける。 ・消化重性となる、ヨーグルトや揚げ物、脂っこい料理、刺身など消化に負担のかかるものなどには気をつける ・からだを冷やさない ・規則正しい生活をする ・食事をしてからの昼寝禁止(アーユルヴェーダでは昼寝は禁止ですが、夏場や体力のない人に関しては認められます。ただ、お腹が軽い状態でないといけません)
消化力をあげるには ・食事の前にショウガを一切れ食べる ・軽い運動を習慣的に行う ・白湯を常に飲む(夏場は人によっては常温の水も可)
体力が落ちているときの食事 ・お粥(特に勧められるのは、まずお米をから入りしてからお粥を炊くことです) ・野菜スープ、豆スープ、肉のスープを好みや状態に応じて(どれも20分〜1時間ほど煮込んだ液体のみの摂取。実は食べません) ・温かい牛乳に黒砂糖を入れて 注意:牛乳を飲んだ時には、前後少なくても1時間は他の食べ物は禁止 ・デーツなどのドライフルーツを少量 ・消化力が少しあるときにはギー(無塩バターを精製したもの)をほんの少量(小さじ1/4程度から始めてください。1日に1〜数回)も勧められます ・その他、キチャリというインドのおじやのようなものや、スパイス・ハーブの摂取も勧められます
夏の過ごし方を気をつけることにより、秋にトラブル知らずの体になります。
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2007/07/31
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