「牛乳は生命力を与える」
No.74
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「アーユルヴェーダ」の「ヴェーダ」の意味は書物のことで、ただの書物ではなくきちんとした定義があります。
ヴェーダは 「アープタという自我を超えた人(自分も他人も他の生物も全て同じ、生命を思いやる人、決して嘘をつかない)」が書かれたと言われ、 永い時間を経てもすたれないものや、生物全てに対しての思いやりが書かれています。 アープタは解脱を目標として修行を行っています。辛い修行の中、万が一でも嘘をついたり、他の生物のことを思いやらない行為や考えをしてしてしまったら、いっぺんに今までの修行が帳消しになってしまいます。 そのことから、アープタのいうことは信用できると認識します。
また、ヴェーダはサンスクリット語で書かれているため、時を経てもその言葉のもつ意味や解釈が変わらないと言われます。
ですので、時代により解釈が違う(例えば「乗り物」昔は動物→馬車→機関車→電車→飛行機みたいな)こともありますが、ヴェーダに書かれているものは全て信用できると位置づけています。
前置きがかなり長くなりましたが、本題です。
アーユルヴェーダのテキストともいえるチャラカ・サンヒター。 そこには明確に「牛乳は生命力を与える」と書かれています。
強壮ハーブを飲むときは、牛乳と一緒に摂ることが勧めらます。牛乳は天然の界面活性剤ですから、水性の成分も油性の成分も上手に摂りいれることができそうです。 強壮ハーブが手元に無いときでも、牛乳を少し飲むと、もう少しがんばれそうな感じがします。
ところでアーユルヴェーダドクターは 現代の牛乳が悪者扱いされる大きな理由が2つあると言います。
どちらも摂取方法の間違いで 1、冷たいまま飲む 2、塩や酸味と一緒に摂る
アーユルヴェーダでは牛乳は決して冷たいまま飲みません。 牛乳は体を冷やす性質があるので、冷たいまま飲めばさらに体を冷やし→代謝を低下させ→消化力を落とし→体に消化できないものをつくり→その消化できないものが体に定着し→病気やその他不快な症状を引き起こす
また、経験がある方も多いと思われますが牛乳にレモン汁を入れて、「ヨーグルトだよぉ〜」って実験されたと思います。 あれが胃の中で出来上がるわけで、それがまた代謝を低下させ→消化力を・・・というサイクルになっていると考えられます。
消化力が落ちて現れる症状の代表として、皮膚疾患があります。 学校の給食には必ず牛乳が出てきますが、上記の理由により子供たちのアトピーが悪化するとアーユルヴェーダは推測します。 給食の牛乳だけじゃないですよ。食後のカフェ・オ・レやミルクティー、牛乳を使ったクリームシチューやグラタンでも同じことが言えます。 「冷性」「油性」の性質を持つ牛乳は消化に若干負担がかかるので、皮膚病の人が飲めば症状が悪化します。
これらの間違いがわからずに摂取している人が殆どなので、牛乳は悪者扱いになっちゃったのねと思います。
また、日本ではもともと飲んでいなかったとすれば、「慣れ」の面からも体質に合わないと判断されます。 ちなみにアーユルヴェーダDr.は50ccの熱湯に同量の牛乳を入れて飲むことをすすめます。「慣れ」の面からも、これぐらいの量なら悪さをしないそうです。
今回、この牛乳のお湯割りを飲んでいる人の話や自分の体験から、これらのことを踏まえて薬として飲めば、やはり牛乳は生命力を与えてくれると実感しました。
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2006/08/04
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