夏の湿疹を考える
No.67
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夏になると、湿疹や皮膚炎など皮膚トラブルが出るのはナゼだろう〜? アーユルヴェーダではこんなことが考えられます。
1.体内の火のエネルギーであるピッタが悪化した 2.消化力が落ちているため
では、解説!
1.体内の火のエネルギーであるピッタが悪化した
アーユルヴェーダでは体質を大きく3つに分けます。 風・空のエネルギーであるヴァータ 火のエネルギーのピッタ 水・土のエネルギーのカパ
これらのヴァータ、ピッタ、カパは、すべての人が必ずそれぞれ持っているものであり、その人により比率が変わります。 ヴァータが多い人をヴァータ体質 ピッタが多い人をピッタ体質 カパが多い人をカパ体質 とそれぞれ分類すると、複合型を含めると7種類の体質に分かれます。 これらは血液型のようにもともと持って生まれた体質として分けられることもありますが、季節や生活方、食事法により日々変わります。
ピッタ体質の人は、もともと体温が高いことが多く、気温が高かったり太陽の光にあたっていると、さらにヒートアップします。 その他、食事ではしょっぱいもの・酸味・辛味を食べると体内の熱が上がります。 発酵食品やお酒も酸味を持つものです。 雑誌などで、夏になるとよく「夏は激辛」特集をしますが、体内に熱がこもりやすい人は湿疹やイライラ、不眠、体臭などに悩まされる可能性があるので、食べるのはご注意ください。 (余談ですが、インド料理=すべて辛い料理というのは誤りです(^。^)
このような生活や食べ物をとったりすると、ピッタがだんだんあがってきて、夏の暑さにより悪化します。そして血液を汚します。汚れた血液は体内をめぐり、赤みを伴ったぶつぶつとして肌に現れてきます。
ですのでこの場合の対処は、 <ピッタをあげないようにする> <血液を汚さないようにする>
対処法は ・太陽光にあたり過ぎない。というかあたらない。 ・気温の高いところに長時間居ない。 ・暑い部屋で熱い食べ物を食べ過ぎない。 ・発酵食品やお酒を飲みすぎない。酸味を持つためです。 ・海の魚介類を食べ過ぎない。海の生物は塩分を多量に含むためです。 ・甘味のある果物を食べる。特に甘いぶどうがお勧めです。 ・塩味、酸味、辛味の食べ物を避ける(これらは温性をもちます)。 ・甘味、渋味、苦味のものを食べるようにする(これらは冷性をもちます)。 ・フレンチフライ、天ぷらなどの揚げ物やスナック菓子を食べ過ぎない。 ・常温の水を飲む。 ・適度に低温のシャワーを適度な回数、浴びる。 ・絹や綿など肌触りがよく、吸湿性のある衣服を着る。 ・ブルーやグリーンなど涼しげな色合いの衣服を着る。 ・よい香りのアロマや香水をつける(特にビャクダンがお勧めです)。 ・月光浴をする。
血液浄化にはニーム(DoYouTry?前出)というハーブが助けになってくれます。
2.消化力が落ちているため
夏は太陽にエネルギーを奪われるために、消化力(体力)が最も落ちる時期です。 そんなときに消化に負担のかかる食べ物や冷たい食べ物・飲み物をとることにより、弱い消化力をさらに弱めます。 そして消化できない食べ物が体内に留っていき、人によっては湿疹や皮膚炎としてのサインが肌に出ます。
対処として <消化力を落とさないようにする> <消化力をあげる>
対処法は ・食べ過ぎない。 ・寝る前3時間は食べない(昼寝をするときもです)。 ・油ものや大量の肉など、消化に負担のかかるものを食べない。 ・ビールや氷水、かき氷、アイス、冷たい牛乳、冷やしたスイカなど身体を冷やすものを食べ過ぎない。 ・ショウガやコショウ、シナモンなどスパイスを適度に摂る。 ・からだを冷やし過ぎないようにする。 ・半身浴をする。 ・常温の水かお湯を飲む。
ことをお勧めします。
皮膚炎のキッチンレメディーは牛乳、ターメリック(ウコン)、無塩バター(できたらギー<無塩バターを精製したもの>)を寝る前に飲みます。 何度も書きますが、牛乳は酸味・塩味と一緒にとらないこと。 消化力が落ちているときには、少なめに作ってください。
アトピーなど慢性的な皮膚炎は弱い消化力によりおこるとアーユルヴェーダでは考えられますので、上記の対処法が応用できます。 湿疹や皮膚炎は自分の目で見えてしまうトラブルだから、よけい精神的につらいんですよね。 毎日、毎回、自分の目で確認し、他人からの目を気にするようになる。 ですので慢性的に皮膚炎になっている場合、精神的なケアも必要なのです。
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2005/07/30
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