花粉症対策解説11 アヌタイラをする
No.58
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さて、アヌタイラについてです。
<アヌタイラってなに?> アヌ<微細な>+タイラ<油>という意味です。アヌタイラをするということは微細な油を鼻孔に入れるということで、空気の乾燥効果に対抗し、鼻孔を潤滑にし、増大したヴァータを鎮静します。 この鼻孔に薬物(油、液体、煙、粉末)を注入することをナスヤといい、浄化法のひとつです。
<え!?鼻に油?> そう。鼻に油を入れます。鼻は頭への門といわれ、鼻に油をいれるということは頭部の浄化法になります。そして肺から上は主にカファが支配する場所です。そこに浄化法を行うことにより、カファドーシャを鎮静させます。また、鼻はヴァータ(空気)と常に接触しているため、そこに油を用いることによりヴァータの鎮静にもなります。
<入れるとどうなるの?> 鼻水や鼻から喉に粘液が流れ出ます。 このことにより、下記のことが期待できます。
・カファの鎮静(鼻の通りがよくなったり、鼻づまり・咳込みの防止) ・声の調子が良くなる ・感覚器官や脳が強くなる ・白髪、抜け毛の防止 ・顔色が良くなる ・首の凝りをなくす ・頭痛の防止 ・緊張が緩和され、リラックス感を得る
<じゃあ、やってみましょうか。> 用意するものはスポイトに入れたオイル(アヌタイラやキュアリング済みごま油)と蒸しタオルです。 1.朝、歯磨きをしてから仰向けに横たわります。 2.オイルを少量手に取り、鼻のまわり、眉の間あたりまでを軽くマッサージします。マッサージを行うことにより、油の浸透が良くなるのを助け、油を入れたときの刺激を緩和します。省略してもかまいません。 3.蒸しタオルをつくり、鼻のまわりを温めます。(温度に注意!あまり熱くしないように) 4.顎をあげて鼻孔を上に向け左鼻孔をつまんでふさぎ、右鼻孔に2滴オイルを滴下し、鼻をすすります。 5.同じく左鼻孔に2滴、滴下し、鼻をすすります。 6.そのままの状態で1〜2分、仰向けになっています。 7.蒸しタオルで3.と同じく鼻のまわりを温めます。 喉にオイルや粘液が流れてきたら絶対に飲み込まず、吐き出してください。 8.粘液の排出がおちついてきたら(だいたい30分ぐらい)、ぬるま湯でうがい・口をすすいで終了です。
<ポイント> ・喉に落ちてきた粘液等は老廃物や身体に不要なものなので絶対に飲み込まないようにしてください。 ・鼻水等が落ち着くまで、鼻はかまないでください。うがいはOKです。 ・鼻に油を入れることに抵抗感がある方は、小指につけて鼻孔にぬりつけてください。 ・2滴ずつなら浄化法というより健康法なので、作用は穏やかです。できるだけ毎日続けましょう。 ・朝、歯磨きを〜と書きましたが、時間はいつでもOKです。ただ、寝る直前は避けてください。寝ているときに排出物を飲み込んでしまうおそれがあるからです。
<禁忌> 急性の風邪で鼻水がでているとき、アルコールを大量に摂取した人など アーマ状態(高熱、倦怠感、痛みなど)のときも注意してください。
<ところで、アヌタイラが手に入らない!> 殆どの方がそうですよね。個人輸入で手に入れるか、東洋伝承医学研究所(03-3792-2054)にご相談ください。 手軽なところではキュアリング済みごま油(いちど100℃以上に熱して、冷ましたもの)を使用できます。また、キュアリング済みごま油にターメリックを入れて温め、さましたもの→ターメリックオイルは花粉症の方にお勧めです。
毎日ゴマ油を鼻孔洗浄用に使用する事は有益である。これは頭に存在するカパ(カファ)を洗い落とすものであるから、健康に良く、他には油に勝るものはない。「アシュターンガ・フリダヤ総論20章」より
う〜ん。カファだのヴァータだの難しいかな。 でも、目のしたのクマの防止や、肌や鼻の乾燥を防止してくれるから、美容や風邪の防止にも役だってくれるはずです。私が実感しているのは、カファの鎮静はもちろん、瞳に力が増して、輝きが得られることです。
これも、ご自分の責任で行ってくださいね。
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2004/12/19
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